Archive for 3月, 2008
JR東日本は東北新幹線の高速化を進め、E5系車両投入によって最高速度320km/h運転(宇都宮・盛岡間)を行っており、東京・新青森間の最速所要時間は2時間59分、新青森駅での接続待ち時間を含む東京・函館間は最速5時間22分(平成26年3月ダイヤによる)となっています。また同社が2012年(平成24)に発表した「グループ経営構想5」においては、最高速度が320km/h区間のさらなる拡大にも言及しています。
新青森・新函館北斗間については、2005年(平成17)の着工時点では最高速度260km/hを前提に投資効果や地元負担の合意がされていましたが、青函トンネルを含む前後約82kmの区間が三線軌条による新幹線と在来線との共用走行区間であるため、貨物列車との共存に際し様々な安全確保策が必要との見地から、2011年(平成23)12月、政府・与党確認事項として「青函共用走行区間の最高速度を当面140km/hとする」ことが示され、2012年(平成24)7月には国交省交通政策審議会に「青函共用走行区間技術検討WG」が設置され協議が進められてきました。その結果、2013年(平成25)3月末「青函共用走行問題に関する当面の方針」が公表され、2015年度北海道新幹線新函館開業時には新幹線の最高速度を在来線と同じ140km/hとすること、2018年度を目途に1日1往復のみ260km/h運転を実現させ、その後も高速走行実現に向けた技術的検討を続けることが示されました。
これにより、着工当初は約40分とされていた新青森・新函館北斗間の所要時間は18分増加して約58分となり、現在の東京・新青森間の所要時間を加えた2015年度末新函館北斗開業時における東京・新函館北斗間の所要時間は約4時間となることが見込まれています。
なお、JR北海道では、新函館北斗―函館間は電化高速化により17分で結ぶと表明しています。
これらを踏まえ、北海道新幹線新函館開業対策推進機構では、東京―新函館北斗間約4時間、東京―函館間最速約4時間20分としてアピールを行っております。
【質問】北海道新幹線はこの春で着工から3年が経ったはずですが、建設が進んで街が盛り上がってきているような実感がぜんぜんありません。いまはどんな状況ですか?
【お答え】北海道新幹線新青森―新函館区間の工事はこれまでトンネル工事を中心に進められ、3月現在、最も長い渡島当別トンネル約8kmの60%が掘り進んでいます。とはいえ全体の予算4,700億円に対して過去3年間の工事費用が190億円、4%ほどの進捗のため、函館商工会議所では関係機関と連携しながら国や政府に対して予算確保の要請を続けており、平成20年度は過去3年分にほぼ匹敵する178億円が確保されました。2008年からはトンネル工事に加え、七飯町内に設置される総合車両基地の整地工事や新幹線レールの取り付け工事なども着手されます。
また、新幹線に伴う経済効果を高めるための地元の動きとして、工事関連資材の地元受注を目指す「北海道新幹線函館資材協力会」や、開業に向け地域活性化の行動計画策定を進める「北海道新幹線開業はこだて活性化協議会」の活動が本格化しています。協議会ではまもなく市民向けアンケートを実施する予定ですので、調査票が届きました際にはどうぞ皆様のご協力をお願い申し上げます。
1969年12月 「北海道新幹線建設促進期成会」設立(事務局:北海道商工会議所連合会)
1970年 5月 「全国新幹線鉄道整備法」制定
1971年11月 青函トンネル起工
1973年11月 北海道新幹線青森―札幌間整備計画決定
1978年 2月 「北海道新幹線建設促進道南地方期成会」設立(事務局:北海道渡島支庁)
1982年 6月 東北新幹線大宮―盛岡間開業
1982年 9月 整備新幹線の建設凍結が閣議決定
1986年11月 「新幹線現函館駅乗り入れ促進期成会」設立(事務局:函館商工会議所)
1987年 1月 整備新幹線の凍結一部解除が閣議決定
1987年 3月 函館商工会議所議員総会において新幹線函館駅乗り入れを決議
1987年 4月 国鉄分割民営化によりJR誕生
1988年 3月 青函トンネル開業
1988年 8月 運輸省が整備新幹線暫定整備計画案を発表、
盛岡―青森間(除くいわて沼宮内―八戸間)のミニ新幹線方式を提示
北陸新幹線高崎―軽井沢間起工
1991年 8月 東北新幹線盛岡―青森間工事実施計画認可、翌月起工
北陸新幹線軽井沢―長野間工事実施計画認可、翌月起工
1993年 4月 函館駅乗り入れ促進期成会が「新幹線青森・函館同時開業促進期成会」へ改称
1994年 2月 「整備新幹線の見直しについて」(大蔵、運輸、自治3大臣申し合わせ)で、
「整備新幹線のルート未公表区間については、地元調整が整うことを前提と
してルート公表を行うための調査を促進し、環境影響評価を推進する」こと
が決まる(1993年8月から細川連立内閣)
1994年 7月 函館市議会定例会において新幹線函館駅乗り入れを決議
1994年10月 北海道と函館市の協議により新幹線駅を渡島大野駅付近とし、函館駅との
アクセスは地元が責任を持って対応するとして合意、地元調整
1994年12月 「整備新幹線の見直しについて」(政府・与党申し合わせ)に
盛岡―青森間のミニ新幹線計画撤回が盛り込まれる
(1994年7月から村山連立内閣)
1996年12月 「整備新幹線の取り扱いについて」(政府・与党申し合わせ)に
新青森―札幌間の駅・ルート公表、環境影響評価が盛り込まれる
1998年 2月 新青森―札幌間の駅・ルート公表
1998年 3月 北陸新幹線長野―上越間起工
1998年10月 環境影響評価着手
2000年 7月 環境影響評価準備書公告・縦覧
2002年 1月 新青森―新函館間工事実施計画認可申請
2002年12月 東北新幹線盛岡―八戸開業
2004年12月 「整備新幹線の取り扱いについて」(政府・与党申し合わせ)に
新青森―新函館間2005年度始めの着工が盛り込まれる
2005年 4月 新青森―新函館間工事実施計画認可
2005年 5月 青函同時開業促進期成会が「新幹線青森・函館早期開業促進期成会」へ改称
2005年 5月22日 新青森―新函館間起工
起工後の工事進捗状況については、北海道渡島総合振興局新幹線推進室のページに詳しく記載されています。