【質問】新聞等では北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の経営分離問題が盛んに取り上げられていますが、現時点では何が問題なのですか。
【お答え】政府は平成22年度新幹線予算のうち90億円を新規区間着工分(新函館・札幌、金沢・敦賀、諫早・長崎の3区間)として留保し、その着工について、今年9月までに結論を出すと表明しています。また実際に新幹線の工事着工のためには、並行在来線としてJRが経営分離を指定した区間の沿線自治体が、その経営分離に同意する必要があります。
北海道新幹線札幌延伸に伴う経営分離区間については、今年3月、JR北海道が文書資料として初めて分離区間を現在の函館駅─小樽駅間と明記し、函館市として重要な新幹線接続路線である現函館駅─新函館駅(現渡島大野駅)間17.9km(以下「同区間」と表記)を含んでいることが明らかとなりました。
現時点において重大な問題なのは、同区間について、北海道からも代替の鉄道輸送の方針が全く示されていないため、同区間に旅客鉄道が運行される保証が全くないということであり、JRの経営分離表明はすなわち現時点では「鉄道や駅の廃止」を意味しています。
函館市ではこの問題を受け、新函館駅の場所が決められた際の協議さらにそれ以降の経緯等をふまえ、同区間を引き続きJR北海道に運営して貰うよう、北海道とJR北海道に要請し、現状では経営分離に同意できないとの考え方を示しています。函館市議会も同区間をJRが引き続き経営するよう全会一致で決議し、6月2日に関係機関へ要請を行いました。
函館商工会議所では函館市より経緯説明を受け、地域の重要課題として一体となって取り組む方針を確認しており、今後は諸情勢の進展に合わせ函館市と緊密に協議・連携し対応していくこととしています。
(記載内容は2010年6月2日時点のものです)