北海道新幹線2016.3新函館北斗開業ウェブサイト

函館商工会議所が所管する新幹線推進団体の活動アーカイブです

【質問】北海道・東北新幹線はトンネルが多くて携帯電話が繋がらない区間が長いと感じるのですが、将来は改善されるのでしょうか。

 

【お答え】ご質問のことについては今年4月、青函トンネル内で特急列車の発煙事故が発生し、脱出する乗客が長時間携帯電話を使用できなかったことから問題が浮き彫りになりました。青函トンネルの場合は現在、53.9kmの全区間、乗車時間では約24分間(時速140km/hの場合)携帯電話が通じない状態となっています。このため、9月の北海道議会では議員の質問に対し、知事がJR北海道へ通信環境整備も含めた安全対策を要望することが報じられたところです。

全国の新幹線を見ると、利用者の多い東海道・山陽新幹線は東京・新山口間でトンネル内も携帯電話の利用ができるほか、新山口・厚狭間と小倉・博多間も平成27年度中の整備が行われる旨発表されています。東北新幹線については6月までに東京・いわて沼宮内の手前までの区間が携帯電話利用可となっていますが、いわて沼宮内・新青森間には岩手一戸トンネル(延長25.8km)と八甲田トンネル(延長26.5km)の長大トンネルがあることから、同区間の通信環境整備については現時点では明らかになっていません。

今年3月に開業した北陸新幹線では、運行車両のE7・W7系全席にコンセントが設備され、車内でのパソコン・スマホ利用がしやすくなっていますが、トンネルの多い高崎・金沢間では携帯電話が繋がらない時間が長く、多くの利用者が不便を指摘しています。そのため、北陸新幹線と競合する日本航空の羽田・小松線では、通常だと有料の機内wi-fiサービスを無料で利用できるサービスを3月から9月まで実施するなど、新幹線の通信環境を意識した顧客獲得サービスが行われています(同様に、新幹線とのシェア競争が続く羽田・広島線はwi-fi無料サービスを継続中)。

総務省では、トンネル等の閉塞地域において移動通信用中継施設等の整備を行う一般社団法人等に対して、国がその設置費用の一部(鉄道トンネルは事業費の1/3)を補助する「電波遮へい対策事業」を実施しており、平成27年度は20億円の予算が確保され、北海道では主として高速道路トンネルを中心に整備が進められています(平成27年度は約5,600万円)。トンネル総延長が全路線の7割強に及ぶ北海道新幹線における整備拡充については現時点では明らかになっていませんが、新函館北斗開業を機に改善が図られるよう、関係機関とともに動向を注視しながら取り組んでまいります。


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