【質問】新幹線にはインターネット等を利用した割引サービスがあるようですが、北海道新幹線ではサービスが提供されるのでしょうか。
【お答え】ご指摘のサービスは、JR東日本では「えきねっとトクだ値」や「モバイルスイカ特急券(モバトク)」、JR東海では「EXPRESS予約」「EX-ICサービス」などの名称で提供されており、切符を窓口で購入するのと比べ割引で購入できることが主なメリットとなっています。北海道新幹線の運行主体はJR北海道であり、同社でも既にインターネット予約サービスが提供されていますが、現時点では割引購入制度はなく、新幹線開業時にJR他社のような割引サービスが提供されるかどうかは現時点では発表されていません。
参考として、開業日が2015年3月14日に決まった北陸新幹線は、東京・上越妙高間がJR東日本、上越妙高・金沢間がJR西日本の管轄ですが、7月24日に共同通信社が全国の加盟社に配信した記事によると、JR東日本では北陸新幹線金沢開業に合わせてIC乗車券「スイカ」と「モバイルスイカ特急券」の導入を検討し、JR西日本と協議中だと報じています。この事例が北海道新幹線にも当てはまるとすれば、JR東日本の同サービスがJR北海道との協議を経て北海道新幹線開業時にも適用される可能性があるとみることもできます。
これらサービスの利用者にとっての利点は割引価格と予約手続きの自在さ、ポイント制度等にありますが、逆に、インターネット利用に不慣れな人は割引メリットを享受できないということにもなります。東北新幹線新青森開業の際は、青森発の東京往復割引きっぷが週末利用のみにサービス縮小され、かわりにインターネット割引購入サービスを利用するようJR東日本からアナウンスされましたが、地元紙の東奥日報は2010年11月8日付記事で、青森県はインターネット普及率が全国最下位(当時)であることに触れ、「ネット利用の低迷が、県民の旅費節約の足を引っ張りかねない」と報じています。また、函館駅から新函館北斗を経て新幹線で東京駅まで乗車する場合、窓口購入の切符では、乗車券は在来線と新幹線を通算した額となりますが、IC乗車券によるチケットレスサービスでは、在来線と新幹線の乗り継ぎの際に、在来線の新函館北斗・函館駅間は別途初乗り運賃が生じることとなります。
このように、インターネットやチケットレス割引サービスは特定の利用条件においてはメリットの高い仕組みと言えますが、一方でルールが複雑でもあることから、引き続き幅広い利用者層が購入できるよう、既存の割引企画きっぷの販売継続について、関係機関とともにJR北海道へ要請を行ってまいります。