北海道新幹線2016.3新函館北斗開業ウェブサイト

函館商工会議所が所管する新幹線推進団体の活動アーカイブです

【質問】北海道新幹線が開業すると、普通列車乗り放題の「青春18きっぷ」で本州と北海道の行き来ができなくなるのではと心配です。

 

【お答え】「青春18きっぷ」は、毎年春、夏、冬の3回発売される、全国のJR在来線普通列車が期間内の5日間(または5回)乗り放題のきっぷです。11,850円という安さから、かつては若者が安く旅行する手段として人気を博し、最近では時間にゆとりのあるシニア層にも支持されており、長距離移動するほどお得感が高まるため、北海道旅行へも多く利用されています。

 同きっぷは、新幹線および新幹線開業によってJRから経営分離された第三セクター鉄道は乗車できず、あくまでJR在来線の普通列車しか乗車できないルールですが、普通列車が運行されていない特急列車のみの区間は、特例として特急列車に乗車できます。その区間の一つが津軽海峡線の蟹田・木古内間で、同区間は蟹田駅と木古内駅で普通列車と乗り継いで利用する場合に限り、特急列車に乗車することができます。

 ところが、北海道新幹線開業後は奥津軽いまべつ・木古内間を走る旅客列車が新幹線のみとなり、同きっぷでは新幹線は利用できないことから、同きっぷに新たな特例が設けられない限り、本州と北海道の行き来ができなくなってしまいます。

 また、仮に特例が設けられたとしても、木古内・五稜郭間はJRから経営分離され第三セクター鉄道となるため、同きっぷで同区間を利用できない心配も残ります。先例として、JRから経営分離された青い森鉄道によってJR大湊線・JR八戸線が分断され、他のJR区間と連続しない路線になったため、青い森鉄道区間を通過利用する場合に限って乗車できる特例が設けられましたが、この特例が木古内・五稜郭間にも適用されるかどうかは不明です。加えて、平成27年春の北陸新幹線開業の際に、JRから経営分離される並行在来線の延長が254.9kmにも及ぶことから、JR在来線だけを対象とする同きっぷそのものの意義が薄まってしまうのではとの懸念もあります。

 このように、同きっぷに関しては2つの問題があり、利用者視点からはぜひ解決を図って欲しいものですが、平成26年7月時点では、北海道新幹線開業後の同きっぷの扱いについて、JRグループからの発表は行われていません。新幹線によるスピーディな移動とは趣旨が異なる、国内旅行を安価に実現できる同きっぷのサービス維持策が期待されます。


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