【質問】(前回に引き続き)新函館駅と函館駅の間に必要なリレー列車の運行上の課題は何かありますか。
【お答え】前回は、リレー列車など2次交通の利便維持確保が必要な背景等について事例紹介しましたが、今回と次回は具体的に、新幹線に接続する在来線リレー列車の運行事例を紹介します。
まず、長野新幹線に長野駅で接続し、長野以北の信越本線を日本海に面した直江津駅(新潟県上越市)まで結ぶ普通列車「妙高」号についてです。この列車は1997年の長野新幹線開業時に、それまで長野駅以北まで運行されていた特急「あさま」号を引き継ぐ形で、快速列車「信越リレー妙高」号として、長野新幹線の出発・到着時刻にあわせ1日8往復の運行が開始されました。特急料金が不要な快速列車でありながら、「あさま」号で使用されていた特急型6両編成の車両が使われるなど、長野以北の利用客にとっては新幹線開業前のサービスレベルが維持されました。
しかしながらその後、利用実態に合わせて段階的に運行本数が見直され、ほぼ全便が快速列車から各駅停車に変更されるなどして、現在は5往復が普通列車として運行されています。「妙高」号の運行体制縮小の背景としては、同じ1997年に開業した「北越急行ほくほく線」を経由し、直江津駅から上越新幹線へ接続して首都圏方面への大幅な時間短縮を実現した特急列車が運行開始されたこと、長野・直江津間75kmの沿線が山間部で人口も約27万人(2市2町)程度であり、人口減少が利用者数の減少に影響していることなどが挙げられます。(次回続く)