【質問】新函館駅と函館駅の間にはリレー列車の運行が予定されていると言われていますが、リレー列車とはどのようなものなのか具体的に教えて下さい。
【お答え】リレー列車とは一般的に、新幹線などとスムーズに接続して運行される在来線列車のことです。なかでも理想形とされているのが、現在九州新幹線のリレー列車として運行されている特急「リレーつばめ」であり、新幹線と在来線の乗換駅である新八代駅では、同一ホーム対面乗換によって新幹線と在来線の間は僅か3分程度で乗り継ぎできるようになっています。利用者利便の高いこの方式の導入が新函館駅においても期待されていますが、現状ではまだ整備方針が明らかになっていません。
対面乗換方式を新函館駅に導入する上での障壁の一つは、函館方面・本州方面・札幌方面と3方向への乗換を考慮しなくてはならないという点です。設備上の制約もさることながら、運行ダイヤの調整が利用者利便に基づくものにできるかどうかも問われます。
3方向の乗換の具体例として、東室蘭のケースを見てみます。室蘭─東室蘭間は普通列車のみが運行され、東室蘭で特急列車と接続しているのですが、東室蘭での乗換の待ち時間は、函館方面と札幌方面では大きな格差があります。特急スーパ北斗・北斗との接続時間を時刻表で見ると、札幌方面との乗換待ち時間は平均(上下21本)約13分なのに対し、函館方面との乗換待ち時間は平均(上下22本)約25分と、2倍の差があることがわかります。
この室蘭の事例からいえるのは、乗換待ち時間の重要性です。特に、特急を下車した客が室蘭方面に向かう場合、乗換待ち時間が目的地への所要時間以上にかかるようでは、乗客は別の交通手段を選択することとなります。運行事業者はもちろん地域においても、このことは人の流れに関わる重要な問題として捉え、利用者本位でリレー列車のあり方を考えることが求められます。
(待ち時間等は2010年11月時点の運行ダイヤに基づくものです)