2010年(平成22)3月から始まった、北海道新幹線札幌延伸に伴う現函館・新函館間JR経営分離に反対する運動(JR経営継続運動)については、本日12月21日、函館市工藤市長が経営分離への同意を表明し、当所としての運動の一つの区切りとなりました。活動の経緯や周辺の動きは、総括特集として2012年1月中旬発行の会報「ともえ」記事に掲載の予定ですが、工藤市長の経営分離同意表明を受けて同日行った報道記者会見における松本会頭のコメント要旨をここに紹介いたします。
■松本会頭の記者会見要旨(21日11:30―12:00)
【経営分離同意表明と会談の内容について】
地域としては非常に残念なことになりました。9時に市長と企画部長が説明に来たが新しい説明はありませんでした。私からは「この経営分離問題に同意反対だと意思表示できれば、歴代市長のなかで大変に評価される市長となるだろう」という話をしましたが、何時間話をしても(市長は)従来の説明範囲を超えることはないと感じました。市長からは、沿線自治体との関係や、(協力する)態度を示さないと函館が不利になるとの話でしたが、私からは、函館市の市長だから、地域を考えた判断をするのが当然のことだと、そういう話をしました。
【函館を責め立てるような報道・論調について、市長に対する思いについて】
函館が経営分離に同意しなければ北海道新幹線(の着工)はない、みたいな論調は納得できません。市長にも言いましたが、札幌がもう少し協力すべきではなかったのか、函館を捨て石にしてという理論ではなくて、函館の過去の事情を考えて札幌もみんな協力しながらJRの経営継続を、という取り組みがなかったのは残念です。函館の市長は札幌の市長のよう(な主張)では困るのです。
【市内の反応・今後の対応について】
将来の函館の街のあるべき姿を憂慮して、これまで市民と一緒になってこの問題を取り組んできました。今は結論出たばかりですから、どう行動するかというのは考えたいと思っています。日々行政と経済界はいろんな課題があり、これからも従来どおり是々非々の立場を貫いていきます。
この3週間、市民意識は盛り上がりましたが、(ボクシングに例えれば)この試合は(相手側は)選手とレフェリーが一緒(同一人物)なので(私達は)勝てないのです。(試合会場に「市民税」という入場料を払って)入場した(観戦者の)方々がどんなブーイングを発するのか、ということは気になります。(リコールに発展するのではとの声も聞こえてくるが、との質問に)私達は経済団体だから、政治的な活動には加担しません。(JR経営継続については)私たち経済界の思いは変わりません。(ご支援いただいた方々には)ご理解と激励を頂いてたいへん力になり、感謝しています。誠にありがとうございました。